猫の睡眠中の呼吸数は、心疾患の早期の兆候となる可能性があります。正常範囲を超えた場合は、すぐに獣医師にご相談ください。



すぐに動物病院を受診する必要がある緊急のサイン
猫の安静時や睡眠中の呼吸数が、普段の基準値より突然かつ持続的に速くなり、口を開けて呼吸したり、唇や口内が青ざめたりする場合は、直ちに動物病院へ連れて行ってください。これは心不全や急性呼吸困難の兆候である可能性があります。呼吸困難は猫にとって命に関わる真の緊急事態であり、迅速な診察と処置が必要です。ためらわず、ただちに獣医師にご相談ください。

| 項目 | 呼吸数(1分間) | 主な症状 | 対処方法 |
|---|---|---|---|
| 軽症 | 30〜35 | 活動後にやや息切れ、時々咳 | 食事・体重の管理、ストレスの軽減、定期検診 |
| 中等度 | 36〜40 | 睡眠中の呼吸困難、疲労感の増加 | 利尿薬などの薬物治療を開始、活動の制限、食事・体重の管理 |
| 重度 | 40以上 | 口を開けて呼吸する、唇が青色、無気力 | すぐに病院を受診、酸素供給と利尿薬などの救急処置 |
表の呼吸数の区間はおおよその参考値です。実際の心臓病の段階と対処は呼吸数だけで決まるのではなく、獣医師の診察と心臓超音波・胸部レントゲンなどの検査(特に左心房の大きさと臨床徴候)によって決定され、個体ごとに差があることがあります。


特定の品種は心臓病によりかかりやすい傾向があります。
メインクーンやラグドールなどの特定の品種は、遺伝的要因により肥大型心筋症(HCM)の発症リスクが高い傾向があります。猫で最も一般的な心筋症はHCMですが、制限性心筋症(RCM)がみられることもあります。一方、ペルシャやヒマラヤンなどの長毛種は、横隔膜心膜ヘルニア(PPDH)といった先天性疾患の素因があることが知られています。里親になる前に、その品種特有の性質や遺伝性疾患のリスクを事前に確認し、定期的な心臓検査を受けることが重要です。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Feline Emergency and Critical Care Medicine, 2nd Ed. (2023). Elsevier.
[2] Advanced Monitoring for Small Animal Emergency and Critical Care, 2nd Ed. (2020). Wiley-Blackwell.
[3] Small Animal Critical Care Medicine, 3rd Ed. (2021). Saunders.