猫の肥満はインスリン抵抗性と糖尿病の主な原因となりますので、早期発見と適切な管理が不可欠です。体重増加に伴って現れる行動の変化にも注意が必要です。



直ちに動物病院を受診すべき場合
猫が突然食欲を失ったり、嘔吐・下痢・意識低下を示したりした場合は、すぐに動物病院を受診してください。これらは糖尿病が進行した際に起こりうるケトアシドーシスなどの緊急合併症の兆候である可能性があります。さらに、強い倦怠感や呼吸困難を伴う場合は、より迅速な対応が必要な緊急事態です。肥満とインスリン抵抗性は、早期に発見して体重管理を行うほど、猫では糖尿病のない状態に戻す可能性が高まります。



品種別の注意点と再発予防
肥満は複数の要因が複合的に作用して起こり、個体によっては遺伝的に肥満になりやすい傾向がある場合があります(犬ではラブラドールなどにおいて遺伝的素因が確認されていますが、猫で特定の品種を断定するのは難しい状況です)。去勢・不妊手術を施した猫は肥満リスクが高いことが知られています。再発を防ぐためには、減量後も療法食と規則正しい食事・運動を継続的に維持することが重要です。急激な食事量の増加や運動の中止は、再肥満を招く可能性があります。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
シェア
[1] Burkholder WJ. Use of body condition scores in clinical assessment of the provision of optimal nutrition. J Am Vet Med Assoc 2000;217(5):650-4.
[2] The Dog Care Handbook, Things I Wish My Vet Had Told Me. 2020. Chapter on obesity and metabolic health in cats.
[3] Clinical Medicine of the Dog and Cat, 4th Ed. 2021. Chapter 26: Management of the Obese Dog or Cat.