猫の糖尿病合併症は、血糖値のコントロールがうまくいかない場合に生じる神経障害や白内障など、重大な合併症です。早期発見と継続的な管理が不可欠です。



すぐに病院を受診すべき緊急のサイン
猫が突然後ろ足に力が入らなくなったり、視力が急激に低下したりした場合は、すぐに動物病院を受診してください。特にコントロール不良の糖尿病において最も危険な合併症は、糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)と高血糖性高浸透圧症候群(HHS)です。これらの状態では、体力の低下、食欲不振、嘔吐、脱水などの症状が同時に現れることがあり、これは緊急事態です。HHSは予後が不良となる可能性もあるため、迅速な診断とそれに伴う輸液療法、インスリン療法、電解質バランスの是正が治療の鍵となります。



品種別の注意点と再発防止のポイント
肥満は、品種による要因よりも明確に知られている危険因子です。猫では、肥満による炭水化物耐性の低下と膵島細胞へのアミロイド沈着が糖尿病の発症に関与しているため、体重管理と定期的な健康診断が重要です。早期の介入と適切な血糖コントロールが行われれば、多くの猫で糖尿病の寛解を期待できますが、寛解した猫の約25~30%は再発する可能性があります。そのため、インスリン療法と食事療法を継続的に維持し、獣医師との定期的な相談を通じてコントロール状態を確認することが必要です。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Plumb's Veterinary Drug Handbook, 9th Edition, 2022
[2] Clinical Medicine of the Cat, 4th Edition, 2021
[3] BSAVA Manual of Feline Medicine, 2nd Edition, 2020