ビションフリーゼは小型犬であるため、膝蓋骨脱臼のリスクが高い傾向にあります。今回は、グレード別の症状から犬・成犬・シニア犬の年齢別予防管理法、さらに手術の基準までを一度にまとめました。


このような症状が見られた場合は、すぐに動物病院へ連れて行ってください。
後ろ足を片方だけ持ち上げて3歩以上歩いたり、階段やソファへの昇降を突然拒んだり、座った状態から立ち上がるのが困難そうに見える場合は、2度以上の膝蓋骨脱臼を疑う必要があります。後ろ足の筋肉が著しく痩せ細っていたり、脚が内側に曲がって見えた場合は、3度以上である可能性があります。このような症状が2日以上続く場合は、速やかに動物病院で膝蓋骨の触診検査を受けてください。

膝蓋骨脱臼の手術は、いつ必要になるのでしょうか?
2級でも症状が軽ければ、体重管理・筋力強化・消炎剤による投薬で維持できます。手術が必要となる基準は、①2級で跛行(足を引きずること)が頻繁に起こったり繰り返したりする場合、②3~4級すべてです。膝蓋骨脱臼では、軟部組織の修正だけでは安定感が不十分なことが多いため、膝蓋骨溝形成術(滑車溝形成術)や脛骨結節転位術などの骨の矯正術式が手術成功の鍵となります。どの方法を採用するかは、獣医師が検査結果を基に判断します。手術後の回復のための安静期間は、教科書の基準では概ね6~8週間であり、この期間をしっかりと守れば、ほとんどの場合、足を引ずらずに歩けるようになります。


タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Schaer M. (ed.), Clinical Medicine of the Dog and Cat, 4th Ed., CRC Press, 2023, Chapter: Musculoskeletal Disorders
[2] Fossum TW et al., Small Animal Surgery, 5th Ed., Elsevier, 2018, Chapter 33: Surgery of the Stifle
[3] Houlton JEF et al., Textbook of Veterinary Orthopaedic Surgery, Wiley-Blackwell, 2017, Chapter 11: Patellar Luxation
[4] Eddleston P., 100 Top Consultations in Small Animal General Practice, Wiley-Blackwell, 2011, Chapter: Patellar Luxation