犬の服従と恐怖の姿勢を、しっぽ・耳・目つきで正確に見分ける方法を、獣医行動学の基準に基づいてまとめました。誤解すると、愛犬がさらに萎縮してしまう可能性があります。

| 項目 | 服従の姿勢(リラックス) | 恐怖の姿勢(緊張) |
|---|---|---|
| しっぽ | 低く振る | 足の間に深く巻き込む |
| 耳 | 後ろに少し倒す | 頭にぴったりつける |
| 目 | よくまばたきするか視線を避ける | 白目が見える、視線を回避 |
| 口 | 少し開く、ハッハッと規則的 | 口をしっかり閉じるか唇をなめる |
| 筋肉 | 全体的にリラックス | こわばり、体の震え |
| お腹 | 自然に見せる | 無理に見せて体を丸める |
| 排尿 | ほとんどない | 粗相が現れることがある |
複数の恐怖のサインが一緒に観察されるほど、恐怖の姿勢である可能性が高いです

恐怖の姿勢を服従と誤解した場合に生じる問題
怖がっている犬に「かわいい」と言って腹を触ったり、顔を近づけたりすると、犬は「逃げられない脅威」と感じます。これを繰り返すと、人が近づいてくるだけで体が硬直する「恐怖性攻撃(フェアー・アグレッション)」に発展する可能性があります。特に、犬が凍り付いて動かなくなっている瞬間が最も危険なタイミングです。動いていないからといって「許可」が出ているわけではありません。

慢性的な恐怖を示す姿勢が見られる場合は、病院での相談が必要です。
特定の状況だけでなく、日常全般で恐怖を示す姿勢が繰り返される場合は、不安障害や恐怖症の可能性があります。散歩に出るだけで体が硬直し、人が近づくとすぐに腹を見せながら尿を漏らすような場合は、獣医行動学の専門家に相談することをお勧めします。早期に対応するほど回復は早く、放置すると恐怖による攻撃行動に進む恐れがあります。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Horwitz, D.F. & Mills, D.S., BSAVA Manual of Canine and Feline Behavioural Medicine, 2nd Edition, 2009
[2] Landsberg, G., Hunthausen, W., Ackerman, L., Behavior Problems of the Dog and Cat, 3rd Edition, 2013
[3] Beaver, B.V., Canine Behavior: Insights and Answers, 2nd Edition, 2009
[4] Shepherd, K., Development of behaviour, social behaviour and communication in dogs, BSAVA Manual, 2009