愛犬や愛猫が自分の体を繰り返し噛んだり舐めたりする自傷行動の原因と、段階別のケア方法を獣医学的な根拠に基づいてまとめました。

| 項目 | 皮膚・アレルギー | 痛み | ストレス・不安 | 強迫性障害 |
|---|---|---|---|---|
| 主な部位 | 全身・お腹・指の間 | 特定の部位(関節・肛門) | 前足・脇腹 | 一箇所への執着 |
| 誘発される時点 | 季節・食べ物の変化の後 | 動作・排便のとき | 飼い主の外出時 | 無刺激の状況でも |
| 皮膚の状態 | 赤み・浸出液 | 局所の腫れ・圧痛 | 脱毛 | なめてタコ(硬結)ができる |
| 中断への反応 | かゆいと再開 | 痛みがあると再開 | 名前を呼ぶと止まる | 呼んでもなかなか止まらない |
2つ以上が重なっていることがあります。病院での鑑別が必要です。

すぐに病院へ連れて行くべき状況
次のいずれかに該当する場合は、24時間以内に動物病院を受診してください。放置すると、二次感染や自己傷害(自己欠損)まで進行する可能性があります。 - 噛みちぎるほどに傷ができ、出血している場合 - 特定の部位を1日2時間以上集中的に噛んでいる場合 - ネックカラーをつけていても、他の部位に移動して噛み続ける場合 - 食欲や活動量が同時に低下している場合 - 発作や立ち上がり方の異常などの神経症状が併発している場合


品種・個体別の注意点
特定の品種では、強迫的な自傷行動がより頻繁に報告されています。 - 犬: ドーベルマン(脇腹の舐め癖)、ラブラドール・ゴールデンレトリバー(指間の舐め癖=末梢舐め皮膚炎)、ブルテリア(尻尾追いかけ) - 猫: シャム・オリエンタル系(心理性脱毛症、脇腹や腹部の過剰グルーミング) 遺伝的な素因を持つ品種は、ストレス状況下で症状が現われやすくなります。予防の鍵は、幼少期から豊かな環境と規則正しい運動を提供することです。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Landsberg G, Hunthausen W, Ackerman L. Behavior Problems of the Dog and Cat, 4th Edition, Chapter 10: Stereotypic and Compulsive Disorders
[2] Horwitz DF, Mills DS. BSAVA Manual of Canine and Feline Behavioural Medicine, 2nd Edition, Compulsive Behaviour
[3] Overall KL. Manual of Clinical Behavioral Medicine for Dogs and Cats, Chapter 9: Abnormal Canine Behaviors and Behavioral Pathologies
[4] Ethology and Veterinary Behavioral Medicine, Introduction to Animal Behavior, Ch.3 & Ch.9
[5] Miller PE, Dubielzig RR. Veterinary Dermatology, Acral Lick Dermatitis in Dogs