低用量デキサメタゾン抑制試験は、犬や猫のクッシング症候群を診断するための代表的な血液検査です。検査の手順、結果の解釈、注意点についてご説明します。


| 項目 | 0時間(基礎) | 4時間 | 8時間 |
|---|---|---|---|
| 実施内容 | 基礎コルチゾール採血後にデキサメタゾンを静脈注射 | 注射4時間後に採血 | 注射8時間後に最終採血 |
| 意味 | 基準値の確認および薬物投与 | 部分抑制の有無の判断 | 抑制維持の有無の判断 |
| 正常反応 | 正常範囲 | 検査室基準値未満に抑制 | 抑制維持(検査室基準値未満) |
獣医師ごとにプロトコルが少しずつ異なることがあります
検査前にぜひ知っておいてほしいこと
最近、ステロイドの軟膏、点眼薬、内服薬を使用していた場合は、検査結果が歪む可能性があります。必ず事前に獣医師にお知らせください。糖尿病、感染症、慢性腎臓病など他の疾患がある場合も、結果の解釈が難しくなることがあります。また、ストレスはコルチゾール値を上げるため、検査中はペットが落ち着いて休める環境を整えることが重要です。

猫の場合は少し異なります。
猫は犬と比べてデキサメタゾンに対する反応が一定ではありません。犬に用いる低用量(0.01〜0.015 mg/kg)をそのまま猫に適用すると、健康な猫の約15〜20%でも抑制が得られず、診断の特異度が低下します。そのため、猫のクッシング症候群の診断では、主に犬よりも高い用量(0.1 mg/kg)のLDDSTプロトコルが用いられます。猫は全体的な健康状態が検査結果の解釈に影響を与える可能性があるため、検査前の総合的な健康評価が不可欠です。


タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Fundamentals of Veterinary Clinical Pathology, 3rd Edition - Suppression and Stimulation Tests for Assessing Adrenocortical Responses
[2] Clinical Medicine of the Dog and Cat, 4th Edition - Low-Dose Dexamethasone Suppression Test
[3] BSAVA Manual of Canine and Feline Dermatology, 4th Edition - Endocrine Diagnostics