犬の骨肉腫は、大型犬で最もよく見られる悪性骨腫瘍です。四肢切断手術や抗がん剤治療を選択する際に、飼い主さんが必ず知っておくべき判断基準をまとめました。



このような場合は、すぐに動物病院へお越しください。
大型犬が2週間以上片足を跛行し、鎮痛剤を使用しても改善が見られない場合や、脚の一部が急激に腫れて硬くなっている場合は、骨肉腫を疑う必要があります。さらに危険な兆候は突発的な骨折です。ジャンプや軽い衝撃でも脚の骨が折れてしまう場合は、骨肉腫によって弱くなった骨で発生した病理性骨折の可能性が非常に高いです。この場合、応急処置後、24時間以内に腫瘍の評価が必要です。

| 項目 | 脚の切断のみ | 脚の切断+抗がん治療 | 痛みの緩和のみ |
|---|---|---|---|
| 平均生存期間 | 3〜5か月 | 10〜12か月 | 2〜3か月 |
| 1年生存率 | 約10% | 約50% | ほぼ0% |
| 痛みのコントロール | 優れている(原発の痛みを除去) | 優れている | 限定的 |
| 生活の質(QOL) | 手術への適応後は良好 | 手術への適応後は良好 | 痛みが進行すると悪化 |
| 獣医師が一般的に推奨する対象 | 転移の有無が不確実・高齢 | 体力が良好なほとんどの患者 | 手術不可・末期 |
複数の獣医腫瘍学・整形外科の教科書報告を総合した一般的な傾向であり、個体の転移の有無・体力・腫瘍の位置によって結果は大きく異なる場合があります。


品種や体格によって判断基準が異なります。
グレートデーンやセントバーナードなどの超大型犬は、切断後の体重負荷が大きいため、患部のみを切除して義肢で補う四肢保存手術を優先的に検討できる場合があります。一方、ゴールデンレトリバーやロットワイラーのような25〜40kgの大型犬は、切断後の適応が比較的良い傾向にあります。また、発症部位が足(遠位橈骨・近位上腕骨)ではなく、頭蓋骨や肋骨のように切断が不可能な部位である場合は、放射線療法と抗がん剤治療の併用を検討します。骨肉腫でも、部位や体格によって最適な選択肢は異なりますので、腫瘍専門の獣医師と十分にご相談ください。


タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Withrow SJ, Vail DM, Page RL. Withrow & MacEwen's Small Animal Clinical Oncology, 5th Edition. Saunders Elsevier; 2013. Chapter 24: Tumors of the Skeletal System.
[2] Ehrhart NP, Ryan SD, Fan TM. Tumors of the Skeletal System. In: Withrow & MacEwen's Small Animal Clinical Oncology. 2013;463-503.
[3] Boston SE, et al. Evaluation of survival time in dogs with stage III osteosarcoma. Vet Surg. 2006.