糖尿病を患う犬に発症する白内障は進行が速く、視力喪失に至る可能性があります。飼い主さんが知っておくべき症状、原因、そして対処法をまとめました。



直ちに動物病院を受診すべき症状
犬が急に目をこすったり、涙が増えたり、目が赤くなったりした場合は、すぐに動物病院を受診してください。これは白内障が悪化し、角膜損傷や前眼部炎が生じている可能性があります。この状態は失明につながるおそれがあるため、24時間以内に獣医師の診察を受ける必要があります。
| 項目 | 症状 | 対処法 | 予後 |
|---|---|---|---|
| 未熟白内障 | 部分的な水晶体の混濁、軽度の視力低下 | 眼科検診、血糖コントロール、必要に応じて眼科専門医への紹介 | 水晶体乳化術の成功率が比較的高い |
| 成熟白内障 | 水晶体全体の混濁、視力喪失 | 手術(水晶体乳化術)の検討、水晶体誘発性ぶどう膜炎の管理 | 手術は可能だが未熟な段階より成功率がやや低い(約85〜90%) |
| 過熟白内障 | 水晶体の変性、ぶどう膜炎・水晶体膨化に伴う合併症のリスク | ぶどう膜炎などの合併症の管理、手術可否の総合的評価 | 手術成功率がさらに低く、合併症のリスクが大きい |
白内障は薬で消えることはなく、水晶体乳化術が視力を回復させる治療法です。未熟な段階であるほど手術の成功率が高くなります。


手術前には必ず糖尿病のコントロールが必要です。
糖尿病性白内障の手術を受ける前には、血糖値を安定させる必要があります。血糖値が不安定なままだと、術後の合併症リスクが高まります。獣医師が血糖値をコントロールするための食事療法とインスリン投与計画を立ててくれるでしょう。手術の1~2週間前から血糖値を安定して維持することが、手術成功の鍵となります。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Plumb's Veterinary Drug Handbook, 9th Edition, 2022
[2] Clinical Medicine of the Dog and Cat, 4th Edition, 2020
[3] The Dog Care Handbook, Things I Wish My Vet Had Told Me, 2021