回虫、鉤虫、条虫、鞭虫、フィラリア症まで、犬に必要な駆虫薬の成分別の特性と選び方をまとめました。年齢別の投与間隔や品種別の注意点もあわせてご確認ください。

| 項目 | 対象となる寄生虫 | 投薬形態 | 処方の要否 |
|---|---|---|---|
| パイランテル(Pyrantel) | 回虫・鉤虫 | 経口 | 一般用医薬品として可能 |
| フェンベンダゾール(Fenbendazole) | 回虫・鉤虫・鞭虫・ジアルジア | 経口 | 処方が必要 |
| プラジカンテル(Praziquantel) | 条虫(サナダムシ) | 経口 | 処方が必要 |
| イベルメクチン(Ivermectin) | フィラリア予防・一部の外部寄生虫 | 経口・注射 | 処方が必要 |
| ミルベマイシン(Milbemycin) | フィラリア・回虫・鉤虫・鞭虫 | 経口 | 処方が必要 |
| モキシデクチン(Moxidectin) | フィラリア・回虫・鉤虫 | 経口・外用 | 処方が必要 |
処方の要否は製品によって異なる場合があります。購入前に動物病院で必ず確認してください。

このような症状が見られた場合は、家庭での駆虫処置ではなく、すぐに動物病院へお越しください。
嘔吐や下痢が3日以上続いたり、血便が見られる場合、お腹がひどく膨らんだり、急に元気がなくなったり、犬の歯茎が白く変色する貧血の症状が現れた場合は、すぐに病院へ連れて行ってください。感染が重い場合、家庭での駆虫だけでは解決が難しいことがあります。まずは糞便検査で寄生虫の種類を確認し、適切な薬を処方してもらうのが最も効果的です。


コリーやシェパード系の犬をお迎えされている飼い主様は、ぜひご確認ください。
コリー、シェットランド・シープドッグ、オーストラリアン・シェパード、イングリッシュ・シェパード、ジャーマン・シェパード、ロングヘアード・ウィペットなど、一部の牧羊犬系の犬はMDR1(ABCB1)遺伝子変異を持っている可能性があります。この変異があると、脳血管関門のP-糖タンパクの機能が低下し、イベルメクチンやモキシデクチンなどのマクロサイクリックラクトン系成分が脳へより多く入り込み、神経毒性を引き起こすおそれがあります。ただし、フィラリア症予防に使用する標準用量のイベルメクチンは、この変異がある犬でも概ね安全であると考えられており、リスクが高まるのは主に高用量や承認外の用法の場合です。それでも安全を確保するため、該当する品種を飼育されている場合は、動物病院で遺伝子検査を先に行い、変異の有無に応じて適切な成分と用量の駆虫薬を処方してもらうことをお勧めします。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Boden, E. et al. Clinical Medicine of the Dog and Cat, 4th Ed. Chapter 9: Parasitic Diseases of the Gastrointestinal Tract — Hookworm Management/Prevention.
[2] Plumb, D.C. Plumb's Veterinary Drug Handbook, 10th Ed. Ivermectin, Pyrantel Pamoate, Fenbendazole, Milbemycin Oxime entries.
[3] Osweiler, G.D. et al. (Eds.). Blackwell's Five-Minute Veterinary Consult Clinical Companion: Small Animal Toxicology, 3rd Ed. Appendix: Common Veterinary OTC and Prescription Anthelmintics.
[4] Nelson, R.W., Couto, C.G. Notes on Canine Internal Medicine, 4th Ed. Intestinal Parasites — Helminthiasis, Cestodes, Hookworm section.