犬の老年性認知症は、老犬の脳の老化に伴い、認知機能や行動機能が徐々に低下する疾患です。原因から薬物療法、家庭での行動修正まで、獣医学的なアドバイスに基づいてまとめました。


| 項目 | 初期 | 中期 | 末期 |
|---|---|---|---|
| 方向感覚 | ときどきぼんやりする | 家の中で迷子になる | 深刻な方向感覚の喪失 |
| 睡眠パターン | 夜間の不安が軽度 | 夜間の徘徊・繰り返す鳴き声 | 昼夜が完全に逆転 |
| 排泄 | 間欠的な失敗 | 室内での頻繁な失敗 | ほとんど制御不能 |
| 社会的反応 | 反応がやや鈍化 | 飼い主を認識できない | ほとんど反応なし |
| 食欲 | 正常またはやや低下 | 不規則な食事 | 著しい食欲低下 |
獣医行動学の教科書基準(個体差あり)

すぐに病院へ連れて行かなければならないサイン
次のような症状が突然現れたり、急速に悪化したりした場合は、すぐに動物病院を受診してください。老齢性認知症に似て見えることもありますが、脳腫瘍や脳炎など、より緊急性の高い疾患である可能性があります。 • 1日以上繰り返す発作 • 突然の意識混濁または倒れ込み • 眼球が急速に震える症状(眼球振盪) • 48時間以内の急激な症状の悪化 • 水と食べ物を完全に拒否する状態が持続する



小型犬と大型犬では、症状が現れる時期が異なります。
老年性認知機能障害は、高齢期に入った犬に現れる疾患です。一般的には8歳以上から高齢犬とみなし、認知機能の変化に注意を払うようになりますが、老化が始まる時期には体型や犬種によって個体差がある場合があります。普段と異なる行動の変化が見られたら、単なる老化と決めつけないで、獣医師に認知機能の評価を依頼してみてください。8歳前後の高齢犬を飼っている飼い主さんは、明らかな症状がなくても定期的に行動の変化を観察し、日付ごとに記録しておくことが早期発見に大きく役立ちます。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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