高齢猫に頻繁に現れるがんの疑いのある8つの兆候を、行動や身体の変化を中心にまとめ、早期発見のための家庭でのチェック方法と病院での検診基準についてお知らせします。


| 項目 | 疑われる腫瘍 | 緊急度 |
|---|---|---|
| 体重減少+食欲低下 | リンパ腫、消化器腺癌 | 高い |
| 腹部のしこり | リンパ腫、脾臓腫瘍 | 高い |
| 乳腺部のしこり | 乳腺腫瘍 | 非常に高い |
| 慢性的な口臭・よだれ | 口腔扁平上皮癌 | 高い |
| 鼻血・くしゃみ | 鼻腔リンパ腫、鼻腔腫瘍 | 高い |
| 呼吸困難・開口呼吸 | 肺腫瘍、胸水 | 救急 |
| 治らない皮膚潰瘍 | 扁平上皮癌、肥満細胞腫 | 中程度~高い |
緊急度『救急』は24時間以内に病院へ、『非常に高い』は3日以内の受診をおすすめします
このようなサインが見られた場合は、すぐに動物病院を受診してください。
次のような症状が見られた場合は、一日たりとも遅らせてはいけません。口を開けてハアハアと呼吸する開口呼吸、突然立ち上がれなくなる状態、尿や便に血が混じる出血、24時間以上水を飲めない脱水状態は、腫瘍が胸腔に体液をためているか、臓器を圧迫している可能性が高いです。夜間でも、すぐに24時間対応の救急病院へお越しください。

次のような品種や環境では、より注意が必要です。
シャム猫は消化器リンパ腫になりやすい品種として知られています。また、白毛の猫は日光に頻繁にさらされる耳、鼻、まぶたの部位で扁平上皮がんを発症しやすく、去勢・避妊手術を受けていない(発情を繰り返す)メス猫は平均よりも乳腺腫瘍のリスクが高い傾向があります。このように、品種・性別・生活環境の観点からリスク要因に該当する猫の場合、外見上の症状がなくても腫瘍が静かに進行している可能性があります。そのため、飼い主さんは普段と異なる行動や体の変化をより細かく観察し、定期健診の間隔を短くして(例:1年に1回→6か月に1回)変化を早期に発見することが安全です。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Withrow & MacEwen's Small Animal Clinical Oncology, 6th Edition, Chapter on Feline Tumors
[2] The Cat: Clinical Medicine and Management, 2nd Edition, Oncology Section
[3] Veterinary Surgical Oncology, 2nd Edition, Feline Primary Lung Tumors
[4] Small Animal Cytologic Diagnosis Canine and Feline Disease, 2nd Edition