犬の疥癬は、サルコプテス疥癬ダニが皮膚の中にトンネルを掘って繁殖し、激しいかゆみを引き起こす寄生虫感染症です。早期の診断と適切な駆虫剤による治療が重要です。


すぐに病院へ連れて行かなければならないサイン
次のいずれかの症状が見られた場合は、24時間以内に動物病院を受診してください。疥癬は放置すると二次的な細菌感染症が進行し、治療期間が長引くだけでなく、飼い主にも感染する可能性があります。 - かゆみが48時間以上続き、次第に悪化している - 皮膚から膿や悪臭がしている - 発疹が全身に急速に広がっている - 飼い主の腕や腹部に赤い発疹が出ている(人獣共通感染症の疑い) - 食欲低下や元気の低下が伴っている
| 項目 | セラメクチン(塗る薬) | イソオキサゾリン(飲む薬) | イベルメクチン(注射/経口) |
|---|---|---|---|
| 投与方法 | 首の後ろに塗布 | おやつ型の経口 | 注射または経口 |
| 投与周期 | 2週間間隔で2~3回 | 1回または月1回 | 獣医師が決定 |
| 効果の発現 | 24~48時間 | 8~24時間 | 24~48時間 |
| 飼い主の使いやすさ | True | True | False |
| コリー・シェットランドでの安全性 | 安全 | 安全 | 注意が必要 |
実際の投薬の種類・用量・周期は、体重や健康状態に応じて獣医師が決定します。


品種・体質別の注意点
コリー、シェットランドシープドッグ、オーストラリアンシェパード、ボーダーコリーなどの牧羊犬種は、MDR1遺伝子(薬物感受性遺伝子)の欠損を持っている可能性があります。この遺伝子欠損がある場合、イベルメクチンやミルベマイシンなどの駆虫薬によって、震えや昏睡といった深刻な副作用が生じる恐れがあります。該当する品種の場合は、駆虫薬を選択する前に遺伝子検査を受けるか、より安全なイソオキサゾリン系薬剤またはセラメクチンを使用することをお勧めします。犬の薬物感受性遺伝子検査ガイドも併せてご確認ください。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] BSAVA Manual of Canine and Feline Dermatology, 4th Edition, Chapter on Ectoparasitic Diseases
[2] Principles and Practices of Canine and Feline Clinical Parasitic Diseases, Chapter 7
[3] Shoorijeh, S.J., Ghasrodashti, A.R., Tamadon, A. et al. (2008). Seasonal frequency of ectoparasite infestation in dogs from Shiraz, Southern Iran. Turkish Journal of Veterinary and Animal Sciences 32(4): 309-313
[4] Current Research in Parasitology & Vector-Borne Diseases 1: 100035 (2021)