犬のエルリヒア症は、マダニに刺されることで感染する細菌性の血液疾患です。発熱、出血、貧血などの症状を引き起こすため、早期診断と長期間の抗生物質治療が重要です。


すぐに病院へ連れて行かなければならない緊急のサイン
鼻血が止まらない、尿や便に血が混じる、歯茎が蒼白になるような場合は、一刻も早く24時間対応の動物病院を受診してください。慢性エルリヒア症では骨髄抑制により全血球減少症を引き起こし、輸血が必要になるケースもあります。マダニに刺された既往がある場合は、必ず獣医師にお知らせください。診断の方向性が変わってきます。

| 項目 | 急性期 | 無症状期 | 慢性期 |
|---|---|---|---|
| 発症時期 | 感染から1~3週 | 感染から1~4か月 | 感染から数か月~数年 |
| 主な症状 | 発熱・食欲不振・リンパ節の腫れ | 見た目には症状なし | 出血・貧血・体重減少 |
| 治療への反応 | 良好 | 非常に良好 | 限定的 |
| 予後 | 良い | 良い | 飼い主の管理が重要 |
段階が進むほど治療の難易度が上がるため、早期発見が重要です
品種別の注意点 — シェットランド・シープドッグ・コリー系
コリー、シェットランド・シープドッグ、オーストラリアン・シェパードなどの品種では、薬物感受性遺伝子の変異がある場合があります。そのため、マダニ予防薬の中でイベルメクチン系を高用量で使用すると、副作用が生じる可能性があります。このような品種では、フルララナーやアポキソラナーなどのイソキサゾリン系、またはフィプロニル成分の外用薬の方が安全です。予防薬の選択は、必ず獣医師と相談してから行ってください。


タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Principles and Practices of Canine and Feline Clinical Parasitic Diseases, Chapter 13 — Tick-Borne Diseases
[2] BSAVA Manual of Canine and Feline Dermatology, 4th Ed — Tick Control and Prevention
[3] Shoorijeh S.J. et al., Seasonal frequency of ectoparasite infestation in dogs, Turkish Journal of Veterinary and Animal Sciences 32(4): 309–313, 2008
[4] 수의내과학 교과서 — 감염성 혈액 질환 챕터