猫の妊娠・授乳期には、プロゲステロン、エストロゲン、オキシトシンなどのホルモン変動が著しくなります。これらの変化により、分娩障害、乳腺炎、授乳不良などの問題が生じる可能性があります。



直ちに動物病院を受診すべき緊急事態
直腸体温が低下してから48時間経過しても猫が生まれない場合、予定日を一週間以上過ぎている場合、外陰部を執拗に舐めたり噛んだりする場合、乳腺が著しく腫れて高熱を伴う場合、震え・けいれん・強直など低カルシウム血症(子癇)の兆候が見られる場合は、直ちに動物病院を受診してください。難産、乳腺炎、子癇は、母猫と猫の両方にとって命に関わる緊急事態です。



特定の品種の猫は、より注意が必要です。
シャム猫のような長頭種や短頭種の猫は、難産のリスクがより高い傾向があります。ある研究では、難産の発生率は長頭種で10%、短頭種で7.3%と中頭種(2.3%)よりも高く、特に長頭種と短頭種では75%以上で手術的介入が必要となりました。短頭種では、胎児の位置異常や原発性子宮無力症が一般的な原因です。メインクーンのように分娩関連合併症の症例が報告されている品種もあるため、妊娠後期には獣医師と分娩の予測と準備について事前に相談することをお勧めします。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Margolis, C.A. & Casal, M.L. (2023). Feline Emergency and Critical Care Medicine, 2nd Edition. Elsevier.
[2] The Cat, Clinical Medicine and Management, 2nd Edition (2022). Elsevier.
[3] A Professional’s Guide to Feline Behaviour (2021). Wiley-Blackwell.