猫の高カルシウム血症は、血液中のカルシウム値が上昇する内分泌疾患であり、早期発見が重要です。主な原因としては、がん、腎臓病、過剰なカルシウム補給などが挙げられます。



症状が重い場合や、心臓のリズムに異常がある場合は、すぐに病院を受診する必要があります。
猫が激しい嘔吐、明らかな無気力や衰弱、不規則な心拍(不整脈)を示す場合は、すぐに動物病院へ連れて行ってください。高カルシウム血症は神経や筋肉の興奮性を変化させ、心臓の不整脈や衰弱、無気力を引き起こす可能性があります。特に心臓のリズムに異常が生じると危険な状態になるため、迅速な評価と治療が必要です。獣医師による即時の診察が何よりも重要です。



特定の品種は高カルシウム血症によりかかりやすい傾向があります。
高カルシウム血症が特定の猫の品種でより多く発生すると断定するのは難しいでしょう。ただし、猫では原因不明の特発性高カルシウム血症が比較的多く見られ、主に若齢から中年の猫で発症します。一方、腫瘍のように高齢の猫でより頻繁にみられる原因もあるため、どの年齢でも発症する可能性があります。症状が明確でない場合もあるため、定期的な健康診断で早期発見することが重要であり、獣医師と連携して管理計画を立てることが望ましいです。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
| 項目 | 主な特徴 | 治療の方向性 | 予後 |
|---|---|---|---|
| がん関連 | 血中カルシウムの急上昇、骨の損傷 | 腫瘍の除去、抗がん治療 | 中程度〜不良 |
| 腎臓疾患 | カルシウム排出障害、多尿多飲 | 輸液療法、腎臓の保護 | 中程度 |
| 過度のサプリメント | サプリメント中止後に数値が回復 | サプリメントの中止、食事調整 | 良好 |
| 特発性 | 原因不明、経過観察が必要 | 症状管理を中心 | 中程度〜良好 |
治療の成功率は早期診断と原因除去の可否によって異なります。
シェア
[1] Chew DJ, Leonard M, Muir W. Effect of sodium bicarbonate infusions on ionized calcium and total calcium concentrations in serum of clinically normal cats. Am J Vet Res. 1989;50(1):145–150.
[2] Taylor SS, Sparkes AH, Briscoe K, et al. ISFM consensus guidelines on the diagnosis and management of hypertension in cats. J Feline Med Surg. 2017;19(3):28.
[3] Feline Emergency and Critical Care Medicine, 2nd Ed. Elsevier, 2017. Chapter 32: Hypercalcemia in Cats.