猫の心臓疾患は初期症状が微妙で急速に進行する可能性があるため、早期スクリーニングが重要です。定期的な健康診断と危険信号の把握が鍵となります。



すぐに動物病院を受診すべき緊急のサイン
猫が突然息切れをしたり、脚に麻痺が見られた場合は、直ちに動物病院を受診してください。これは心臓でできた血栓が血管を詰まらせることで引き起こされる深刻な合併症です。生命を脅かす可能性があるため、一刻も早く治療を受ける必要があります。



特定の猫の品種には注意が必要です。
メインクーンやラグドールなどの品種、そしてペルシャなどの長毛種猫は、心臓疾患に対して遺伝的・品種的な素因があることが知られています。特に肥大型心筋症(HCM)のリスクがあるため、定期的な心臓検査が推奨されます。症状がない潜伏期に早期発見できるほど、その後の管理が有利になります。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
| 項目 | 主な症状 | 主な検査 | 主な治療 |
|---|---|---|---|
| Stage A(危険群) | 無症状、遺伝的・品種的素因あり | 心臓超音波、心電図 | 予防的管理、定期モニタリング |
| Stage B1(潜伏期・低リスク) | 無症状、左心房が正常~軽度拡大 | 心臓超音波、血液検査 | 定期モニタリング、リスク要因の管理 |
| Stage B2(潜伏期・高リスク) | 無症状だが左心房が中等度~重度に拡大し心不全・血栓塞栓症のリスクが増加 | 心臓超音波、X線 | リスク度に応じた管理、血栓予防を検討 |
| Stage C(重症) | 速く苦しい呼吸などのうっ血性心不全症状、血栓塞栓症 | 心臓超音波、胸部画像・血液検査 | 入院治療、利尿薬・ACE阻害薬・ピモベンダンなど |
Stage Aは症状のない危険群、Stage Bは症状はないが構造変化がある潜伏期(B1は低リスク・B2は高リスク)、Stage Cはうっ血性心不全など臨床症状が現れた段階です。
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[1] Textbook of Cardiovascular Medicine in Dogs and Cats, 2023, Elsevier
[2] Feline Emergency and Critical Care Medicine, 2nd Ed, 2021, Wiley-Blackwell
[3] American Association of Feline Practitioners (AAFP) Feline Heart Disease Guidelines, 2022