猫の腹水は、肝機能の低下により体液が腹腔にたまる疾患であり、早期発見が重要です。症状や原因、診断方法、治療および管理のポイントについて総合的に解説します。



すぐに動物病院を受診すべきサイン
猫が突然呼吸困難になったり、腹部が急激に膨らんだり、意識が不明瞭になったりする場合は、すぐに病院へ連れて行ってください。これは命に関わる緊急事態です。



猫の品種別注意と再発防止
猫のFIP(伝染性腹膜炎)は、若齢猫や純血種(例:ブリティッシュショートヘア)で報告されています。原因によって管理方針が異なるため、定期的な健康診断と正確な診断により再発や悪化を防ぐことが重要です。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
| 項目 | タイプ | 原因 | 主な特徴 | 治療方針 |
|---|---|---|---|---|
| 炎症性(滲出性)腹水 | FIP、腹膜炎、腫瘍 | 炎症・感染によりタンパク質の高い滲出液が形成 | 腹部膨満、若い猫に多い | 原因の鑑別、FIPは抗ウイルス薬(レムデシビル) |
| 肝性腹水 | 肝炎・胆管炎、脂肪肝、肝腫瘍 | 肝機能低下によりタンパク質合成が減少 | 腹部膨満、黄疸、筋肉量の減少 | 肝臓保護剤、利尿剤、食事・輸液管理 |
| 心原性腹水 | 心不全、心臓疾患 | 心機能低下により血液循環障害 | 呼吸困難、疲労、腹部膨満 | 心臓薬、利尿剤、酸素供給 |
| 低タンパク血症性腹水 | 栄養不足、吸収障害、腎臓疾患 | 血漿タンパク質の減少により血管圧が低下 | 全身のむくみ、腹水、疲労 | タンパク質の補給、原因治療 |
猫における腹水の最も一般的な原因はFIPであり、体液分析(漏出液・滲出液の区別)で原因を絞り込む必要があるため、正確な診断が不可欠です。
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[1] Notes on Canine Internal Medicine, 4th Ed. (2020). Chapter on Hepatic Disease in Cats.
[2] Fundamentals of Veterinary Clinical Pathology, 3rd Edition. (2018). Liver Enzyme Interpretation in Feline Patients.
[3] BSAVA Manual of Feline Medicine. (2021). Ascites and Hepatopathy in Cats: Diagnosis and Management.