関節可動域運動(ROM)は、術後の回復や関節炎の管理に用いられるリハビリテーション運動です。ご家庭で安全に行うための方法と注意点をまとめました。


| 項目 | 他動ROM(PROM) | 補助自動ROM | 自動ROM(AROM) |
|---|---|---|---|
| 主体 | 飼い主が全面的に動かす | 飼い主+ペット | ペット自身 |
| 主な対象 | 術直後、麻痺、強い痛み | 回復中期 | 回復後期、日常のケア |
| 例 | 横になった状態で脚を曲げ伸ばしする | 支えながら座って立ち上がる | ゆっくりした散歩、障害物を越える |
| 難易度 | 低い | 中程度 | 高い |
術直後は、ほとんどの場合、他動ROMから始めます。
ROM運動を開始する前に必ず確認してください
ROM運動は、その子の状態によっていつ、どの関節を、どの角度まで動かすかが異なります。手術後は、通常、執刀した獣医師が開始時期と範囲を指導してくれます。自己判断で始めると、縫合部位が開いたり、炎症が悪化したりする恐れがあります。少なくとも1回は、リハビリ専門の獣医師やセラピストに直接示範を受けてから始めることをお勧めします。

このような症状が現れた場合は、すぐに使用を中止してください。
ROM運動中や直後に、以下の兆候が見られた場合は、すぐに運動を中止し、担当の獣医師にご連絡ください。うめき声を上げたり、噛もうとしたりする。関節部位が腫れ、熱感を伴う。運動後、脚の使用がむしろ悪化する。縫合部位から滲出液や出血が見られる。普段より食欲や活動量が著しく低下する。


タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
シェア
[1] Millis, D.L. & Levine, D., Canine Rehabilitation and Physical Therapy, 2nd Edition, 2014
[2] Zink, M.C. & Van Dyke, J.B., Canine Sports Medicine and Rehabilitation, 2nd Edition, 2018
[3] American College of Veterinary Surgeons (ACVS), Post-operative Rehabilitation Guidelines