猫の皮膚膿瘍は、喧嘩や怪我の後、皮膚の内部に膿がたまる細菌感染症です。早期発見と獣医師による処置が、回復の鍵となります。


すぐに病院へ連れて行かなければならないサイン
次の症状が一つでも当てはまる場合は、24時間対応の動物病院にすぐに連れて行ってください。① 膿瘍が破裂して悪臭が強く、粘り気のある膿が絶えず出ている場合 ② 高熱があるか、体を激しく震わせている場合 ③ 動かそうとしない、または絶えずうめき声を上げ、元気がない場合 ④ 顔の目・鼻・口の周りに膿瘍ができている場合。放置すると細菌が全身に広がり敗血症につながる可能性があるため、迅速な対応が重要です。


再発の予防と品種別の注意点
猫の皮膚膿瘍の多くは、喧嘩による噛み傷や引っ掻き傷から発生するため、再発予防の鍵は喧嘩そのものを減らすことにあります。完全室内飼いにすることで、他の猫との接触や喧嘩を防ぐことができ、膿瘍のリスクを大幅に低減できます。去勢していないオスの猫は縄張り争いが多いため、去勢手術は喧嘩を減らすのに役立つことがあります。また、普段から体のあちこちに噛み跡や腫れがないか確認し、傷を発見した場合は膿瘍に進行する前に早めに動物病院を受診することが望ましいです。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Harvey RG, Mckeever PJ and Nuttall TJ (Eds.), BSAVA Manual of Canine and Feline Dermatology, 4th Ed., British Small Animal Veterinary Association, 2019
[2] Gross TL, Ihrke PJ, Walder EJ and Affolter VK, Skin Diseases of the Dog and Cat: Clinical and Histopathological Diagnosis, 2nd Ed., Blackwell, 2005
[3] Norsworthy GD et al., The Feline Patient, 4th Ed., Wiley-Blackwell, 2011