犬の反復行動障害は、グルーミングや歩行といった本来の正常な行動が、文脈と無関係に反復・過剰に現れる行動医学上の疾患です。ここでは、行動別のお手入れ方法と専門治療を開始する基準を、獣医行動学の根拠に基づいてまとめました。

この症状の場合は、すぐに動物病院へ連れて行ってあげてください。
反復行動が、食事や睡眠といった日常生活を放棄するほど強くなった場合、正常な一日の活動に明確な支障をきたすほど長く続いている場合、あるいは自傷により皮膚が剥がれ落ちたり出血が生じている場合は、直ちに動物病院を受診してください。獣医行動学の教科書でも、強迫的な反復行動は途中で止めるのが難しく、正常な日常生活機能を妨げることを特徴として説明しています。また、反復行動のように見える症状が、実際には神経系の疾患や皮膚・消化器系の疾患である可能性もあるため、行動上の診断を下す前に、必ず獣医師による身体検査と鑑別診断が先に行われる必要があります。



犬種によって、かかりやすい反復行動のパターンが異なります。
イングリッシュ・ブルテリアやジャーマン・シェパードでは、くるくると回る行動や尻尾追い回しが、リトリバーのような大型犬では前足を繰り返し舐める末端舐め皮膚炎が、牧羊犬系品種では光や影を追う行動が、それぞれ比較的よく報告されています。また、ブルテリアでは、ある一点に固まって動けなくなるような「フリーズ」行動もよく見られます。こうした傾向のある品種の場合は、犬のうちから環境の豊か化や社会化訓練を早めに始めることで、予防に役立ちます。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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