犬の騒音恐怖症の管理に効果的な方法と製品を、獣医学的根拠に基づいてまとめました。圧迫衣から獣医師の処方箋が必要な薬物まで、症状の段階に合わせた選択基準をお伝えします。


突然発症した騒音恐怖症の場合は、まず動物病院を受診しましょう。
5歳以上の中高齢期以降に、突然の騒音恐怖症が現れた、あるいは急速に悪化した場合は、痛みなどの身体的な問題が隠れている可能性があります。不安そうに振る舞っている愛犬が、実は痛みを感じていたり、恐怖に怯えていたりする状態であることも考慮する必要があります。痛みと恐怖が相互に影響し合い、悪循環に陥りやすいため、行動修正に取り掛かる前に、まず動物病院で身体検査を受け、他の原因がないか確認することをお勧めします。


絶対にやってはいけないこと
騒音を怖がる犬が落ち着けるよう、そばで安心させてあげるのは問題ありません。むしろ、犬が安全に隠れたり頼ったりできる空間を用意し、自分で耐えられる手段を与える方が効果的です。ただし、怖がっている犬を叱ったり罰したりすると不安が増幅されるため、絶対に避けてください。また、獣医師の監督なしに大きな音に強制的にさらす「洪水法」は恐怖を極大化し、症状を悪化させる可能性があります。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
シェア
[1] Bowen, J. 'The frightened dog.' In: Maddison, J.E. et al. (eds.), 100 Top Consultations in Small Animal General Practice. Wiley-Blackwell, 2011.
[2] Korpivaara, M., Laapas, K., Huhtinen, M. et al. (2017). Dexmedetomidine oromucosal gel for noise-associated acute anxiety and fear in dogs—a randomised, double-blind, placebo-controlled clinical study. Vet. Rec. 180(14): 356.
[3] Cottam, N., Dodman, N.H., and Ha, J.C. (2013). The effectiveness of the anxiety wrap in the treatment of canine thunderstorm phobia: an open-label trial. J. Vet. Behav. 8: 154–161.
[4] Lopes Fagundes, A.L. et al. (2018). Noise sensitivities in dogs: an exploration of signs in dogs with and without musculoskeletal pain using qualitative content analysis. Front. Vet. Sci. 5: 17.
[5] Howell, T.J. et al. 'Familiarization with Various Sounds.' In: Veterinary Guide to Preventing Behavior Problems in Dogs and Cats. Wiley-Blackwell, 2022.